現金・預貯金保有者の相続対策

平成27年1月1日以降の相続等について、相続税の基礎控除が3,000万円+600万円×法定相続人に引き下げられ、最高税率が50%から55%に引き上げられる措置が講じられました。一方、小規模宅地等の軽減措置については、特定住居用宅地等の適用最大面積が240平米から330平米に引き上げられるなどの減税措置も講じられています。

平成28年12月に国税庁から発表された「平成27年分の相続税の申告状況について」によると、亡くなられた方全体に占める相続税が課税される対象となった被相続人の課税割合が8.0%と、4.4%だった平成26年に比べると約1.8倍となりました。また、相続財産の構成比をみると、現金・預貯金等が最も増えています。

現金・預貯金等の保有割合が大きい場合、相続対策としては以下のようなことが検討できます。

・現状の相続税の実質負担割合を計算して、実現できる範囲内で子や孫に毎年現金贈与を行う。
・現金贈与を行う際は、住宅取得等資金、教育資金、結婚・子育て資金贈与などの非課税特例の活用を検討する。
・仏壇やお墓、生命保険(500万×法定相続人の部分)、死亡退職金(500万×法定相続人の部分)など非課税財産の活用を検討する。
・収益物件の取得など評価引き下げ効果があり、将来の現金化が比較的容易で、元本を確保できる可能性の高い資産への転換を検討する。

これらはあくまでも相続税対策なので、争族対策のための遺言書作成などは別途十分に検討する必要があります。

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